レディエッセ注入はメスを使わず鼻やあごなど輪郭を整える形成美容医療術

レディエッセ注入はメスを使わず鼻やあごなど輪郭を整える形成美容医療術

レディエッセはカルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とした皮膚充填剤です。外科的手術をおこなわずにしっかりとしたボリュームを出すことができるため、鼻・あごといった輪郭形成に適した施術法とされています。レディエッセ注入によるメリットとデメリット、またリスクを理解し、理想の輪郭を目指しましょう。

レディエッセの特徴と効果

鼻やあごの輪郭形成に適した注入剤

レディエッセはカルシウムハイドロキシアパタイト球状マイクロ粒子とキャリアジェルからなる皮膚充填剤です。キャリアジェルに包まれたカルシウムハイドロキシアパタイトを皮下組織に注入することで、鼻すじやあごなどに適度なボリュームを出したり、加齢によりくぼんでしまったこめかみなどの部位を補うことが可能です。 注入後、キャリアジェルはマクロファージ(大食細胞)により分解され、残されたカルシウムハイドロキシアパタイトによって約10~18カ月間、注入部位を形成しやがて体内へ吸収されていきます。その間、カルシウムハイドロキシアパタイトの周囲の線維芽細胞は活性化し、コラーゲンが生成されることで肌にハリを与えるとされます。 レディエッセはヒアルロン酸注入剤のように体内の水分を吸収せず、適度な固さを保ちます。そのため鼻すじへ注入した場合も薬剤が広がることがなく、鼻すじが太くなってしまうといったケースは少ないとされています。

レディエッセがもたらす効果

レディエッセは注入直後より鼻・あご形成などの効果を実感することができる施術法です。カルシウム、という言葉から注入部位が骨のように硬くなると誤解されがちですが、カルシウムハイドロキシアパタイトはおもにミネラル成分で骨組織そのものを作るわけではありません。また皮下組織には骨を形成する細胞が存在しないため、自然な質感でボリュームを長期間(約10~18カ月)保つことができるのです。 時間の経過とともにボリュームが減少した場合は、必要に応じて追加注入をおこなうことも可能です。

細かい部位のたるみやシワには向かない

レディエッセは白色の注入剤であることや、ヒアルロン酸注入剤やコラーゲン注入剤と比べると硬いことから、目の下や涙袋などの柔らかい部位に注入してしまうと白く透けてしまったり、ボコボコとしたしこりが発生したりすることがあります。

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レディエッセはFDA(米国食品医薬品局)、MFDS(韓国食品医薬品安全省)、CE(欧州加盟国の法的規制による基準適合表示マーク)などをはじめとする世界10カ国で承認を得ています。生体適合性が高く、アレルギーリスクの少ない皮膚充填剤とされています。 またレディエッセの主成分であるカルシウムハイドロキシアパタイトは医療領域では、人工骨や歯科治療などで幅広く使用されています。

ほかの施術との違い

クレヴィエル(ヒアルロン酸注入剤)との比較

クレヴィエルは韓国エストラ社によりアジア人向けに開発された鼻・あごの形成に適したヒアルロン酸注入剤です。クレヴィエルにはヒアルロン酸濃度の違いでコントア(濃度50mg/ml)とプライム(濃度33mg/ml)の2種類がありますが、形成に適しているのはコントアの方です。これまでのヒアルロン酸注入剤と比べて濃度と密度が高いため体内での分解吸収が遅く、その作用は約12カ月以上も持続するとされています。 クレヴィエルは粘性が高く、また体内の水分を吸収する作用が少ないため、注入後に薬剤が広がり鼻すじが太くなってしまうなどのリスクは少ないとされていわれています。 またクレヴィエルはヒアルロン酸が主成分のため、ヒアルロニダーゼという分解剤で溶かすことが可能です。万が一希望通りの仕上がりとならなかった場合でも、数時間で分解され3週間以上あけたのちクレヴィエルを再注入・修正することができます。

吸収糸隆鼻(溶ける糸による鼻形成)との比較

鼻尖部位(鼻の先)に針穴をあけ、そこから医療吸収糸のPCL(ポリカプロラクトン)やPDO(ポリデオキサノン)などを挿入することで鼻すじを整え、鼻を高くする施術です。医療用吸収糸とは外科的手術などで縫合糸として使用されている安全性の高い素材で、2年ほどかけて体内に吸収されます。 吸収糸隆鼻による治療は鼻先が丸いだんご鼻や小鼻の幅を縮める、また鼻先をツンと高くしたい方に適しているとされています。各医療素材メーカーより、さまざまな種類の吸収糸が開発されており、吸収糸によって効果持続の期間が異なります。 プロテーゼ治療のようにメスを使用した手術ではないため、局所麻酔による施術となり治療時間は約20分ほどです。ダウンタイムもほとんどないとされていますが、治療後2~3日ほどは鼻に触れたり、鼻の下を伸ばすなどすると鈍い痛みがあるといわれています。

コラーゲン注射との比較

コラーゲン注射はしわなどの溝を持ち上げる作用がないことから、レディエッセのように鼻・あごの形成や、深く刻まれたほうれい線の施術には不向きな注入剤です。しかし肌にハリを与える作用があることから、レディエッセでの施術ができない目元の小じわや皮膚の薄い部位への施術に適した注入剤とされています。 加齢によりくぼんでしまったこめかみ・ゴルゴラインなどをレディエッセによる注入でボリュームを与え、目元の小じわなどはコラーゲン注射による併用施術をおこなうことで若々しい輪郭とハリのある肌を目指すことができるといわれています。

プロテーゼ隆鼻術との比較

プロテーゼとは医療用シリコンやゴアテックスなどから作られた人工軟骨を挿入する外科的隆鼻術です。鼻の穴の中から切開するため、傷跡は目立たないとされています。またプロテーゼは非吸収性のため、その効果は半永久的となります。 注入剤と比べしっかりとした鼻すじや、高さを出すことができますが約1~2週間のダウンタイムがあり、執刀医によって仕上がりに差があるとされています。また既製プロテーゼ以外にも、それぞれの顔立ちに適したオーダーメイドプロテーゼによる隆鼻術をおこなう医療機関も少なくありません。

ボツリヌス注射との比較

ボツリヌス注射とは、いわゆる「ボトックス注射」として知られている注入治療です。筋肉を弛緩させる薬剤を注入することで筋肉の働きを抑えて表情ジワを抑えるといわれます。眉間のしわやあご先にできる梅干しジワなどを改善に導くとされます。ボツリヌス薬剤は筋肉に作用するため、レディエッセにより対応可能な加齢によるシワやたるみの改善は期待できません。

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レディエッセ注入治療に適した部位

外科的手術をおこなわず、鼻すじを整えたり自然な高さを出したい方はレディエッセによる注入施術が適しているといえるでしょう。鼻先に丸みのあるだんご鼻や鼻先が上を向いた豚鼻などとも相性が良いといわれます。また術後の固定がなく、ダウンタイムもほとんどないことから周囲に気づかれにくい施術法です。

ほうれい線やゴルゴラインし

深く刻まれたゴルゴラインやほうれい線・マリオネットラインなどへレディエッセを注入することで溝にボリュームをあたえ、しっかりと凹み部位を持ち上げます。ヒアルロン酸注入剤による施術と比べ、効果持続は長いとされています。

輪郭

レディエッセをあご先に注入することで輪郭をシャープに整え、小顔に見せる効果があるとされています。また引っ込んでいるあご、割れたあごの治療をおこなうことができ、美しい横顔の基準とされるEラインを目指すことができます。

こめかみ

加齢により顔面骨が萎縮し、くぼんでしまったこめかみへレディエッセを注入することで、くぼみ部位に適度なボリュームをあたえ若々しい印象へ導くとされています。

手の甲

加齢により皮膚のボリュームが失われ、血管や骨が浮き出てみえる手の甲にレディエッセを注入することで、ふっくらとした若々しい印象へと導きます。

レディエッセ注入による副作用と合併症のリスク

レディエッセの副作用

医療領域でも多く使用されるカルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とするレディエッセの安全性は高いとされていますが、注入直後に炎症・腫れ・赤み・鈍痛・内出血など副作用の可能性が挙げられます。 多くの場合、2~3日ほどで治まるとされていますが万が一、注入部位の皮膚の蒼白・激しい痛みや発熱などの異常や違和感を感じた際はすぐに担当医の診察を受けましょう。

溶解剤がなく修正ができない

レディエッセにはヒアルロン酸注入剤のような溶解剤(ヒアルロニダーゼ)がないことから、注入後の除去や修正をおこなうことはできません。万が一、仕上がりに満足ができなかった場合も薬剤を溶かせないため、レディエッセが体内に吸収されるまで対処法がない施術となります。

しこり・石灰化の可能性

レディエッセにかぎらず、皮膚充填剤によるボコボコとしたしこり・石灰化のリスクはゼロとはいいきれません。万が一、石灰化等がおこってしまった場合は外科的手術により除去を。

重篤な合併症

注入剤による失明・皮膚壊死などの重篤な合併症は薬剤そのものではなく、ドクターの未熟な技術によるものといわれています。これらはおもに血管内に薬剤を注入し、詰まってしまう(塞栓)ことにより引き起こされます。重篤な合併症のリスクを避けるためには解剖学を熟知したドクターによる施術をおこなうことが大切です。

施術時の痛み

レディエッセは注射針の刺入時と注入時に、やや圧迫痛があるとされています。痛みに弱い場合は注入前に麻酔クリームなどにより痛みを軽減します。

施術の流れ

1.診察・カウンセリング

ドクターによる診察、カウンセリングをおこないます。

2.マーキング

マーキングをおこない、注入部位を確認します。

3.レディエッセ注入

施術部位を消毒し、レディエッセを注入します。 万が一、注入時に激しい痛みなどの異常を感じた際はすぐにドクターに伝えましょう。

4.クーリング

医療機関によってはクーリングをおこない治療完了です。

施術後の経過とダウンタイム

レディエッセは安定するまで1~2週間かかる

レディエッセが注入部位に安定するまで約1~2週間かかるとされています。その間は強いマッサージなどをさけるよう注意が必要です。

ダウンタイムはほとんどなし

レディエッセはメスを使用しない注入施術のため、ダウンタイムはほとんどないとされています。注入直後は軽微な腫れや赤みなどが現れる場合がありますが、2~3日ほどで治まるといわれています。

レディエッセの料金相場

レディエッセ1本(約1.5cc)の料金相場は約80,000~150,000円です。

施術を受ける際の注意事項

施術後の注意事項

施術直後は注入部位を避けることで洗顔やメイクは可能ですが、強くこするなどの過度な刺激や家庭用美顔器等の使用は控えましょう。 当日のシャワーは問題ありません。長時間の入浴やサウナは翌日から可能とされています。血行が促進することで痛みや赤みが現れることもあるため、アルコール摂取や激しい運動には注意が必要です。

レントゲン撮影で写る可能性がある

レディエッセの主成分であるハイドロキシアパタイトは、高濃度もしくは体内に大量に存在するとレントゲン撮影の際映ってしまうことがあります。しかしほとんどの場合は大量に注入することはないため、画像診断への問題はないとされます。

施術が受けられない方

  • 妊娠中や授乳中の方
  • 注入希望の部位にほかの皮膚充填剤による施術をうけている方
  • 注入希望の部位にシリコンや吸収糸などを挿入されている方
  • その他、未治療の皮膚疾患や重篤な疾病がある方

後悔しないための医療機関の選び方

レディエッセは安全性が高く効果持続期間の長い皮膚充填剤とされる一方、分解剤がないことから注入後すぐに修正することができない施術です。また手技の未熟なドクターによる注入で重篤な合併症を引き起こしてしまうなどの被害にあうことがないよう、解剖学的に正しい知識を持ち、適切な部位に注入施術をおこなえるドクターを選ぶことが大切です。

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