眉アートメイクの施術方法とデザインの決め方・失敗を回避する方法

眉アートメイクの施術方法とデザインの決め方・失敗を回避する方法

美しい眉のベースを作る眉のアートメイクは日々のメイク時間を短縮でき、水や汗によって落ちる心配がないといったメリットがありますまた、年齢や性別を問わずおこなうことができる施術です。

眉アートメイクの施術を検討する際は、「理想とする眉の形・色味・濃淡」「施術後のダウンタイム」「施術中の痛みや麻酔の有無」などを事前に確認しておくと良いでしょう。

眉アートメイクは色素を注入して眉をデザイン

眉アートメイクは、表皮と呼ばれる皮膚の浅い層(皮下0.01~0.03mm)に専用の針(ニードル)を使って染料を入れ色素を定着させることで、眉をデザインする施術です。「眉の形に左右差がある」「アイブロウメイクにかかる時間を短縮したい」「運動後にアイブロウメイクが崩れやすい」などの悩みを改善に導きます。

毛流れや色味が自然に仕上がるため、男性からも注目されている美容施術です。

FDA認可の染料は人体への害がなくMRI検査にも支障がない

眉アートメイクで使用される染料にはマスカラやアイシャドウと同様に、金属成分(酸化鉄)を含むものが多いとされています。現在は国内産・外国産ともに数多くの染料があって、使用している染料は医療機関によって異なります。

一般的に米国のFDA(食品医薬品局:Food and Drug Administration)認可の染料は金属成分の含有量が少ないため、人体への害も基本的にないとされています。FDAに認可されていれる染料にはBioTouch社製のものなどがあります。医療機関によって取り扱っている染料の種類は異なるため、施術を受ける前にどのような染料を使っているか確認しておくと安心です。

また、アートメイクをしている方はMRI検査を受診できないことがあります。MRI検査で使用される電波は金属に反応して発熱する性質があり、染料の金属成分含有量によってはやけどのリスクがあるからです。

FDA認可の染料は、金属成分の含有量がMRI検査に支障をきたさないレベルとされており、施術後も検査を受けることが可能とされています。眉アートメイクの染料の種類やMRI機器の精度によっては受けられない場合があるため、MRI検査を受ける際には事前にアートメイクをしている旨を伝えましょう。

眉タトゥーと眉アートメイクの違い

眉アートメイクは眉タトゥーと混同されがちですが、前者は表皮層に、後者は真皮層に染料を注入するという点で違いがあります。さらに、医療眉アートメイクは素顔をより良く見せることを目的とした医療行為であり、医療機関でのみ施術が認められています。

眉アートメイクは2〜3年・眉タトゥーは染料が残り続ける

表皮層へ染料を注入する眉アートメイクは2〜3年程度で退色していきます。表皮層は約6週間かけて新陳代謝による皮膚細胞の生まれ変わりを続けており、このサイクルを肌のターンオーバーといいます。これによって表皮層に注入した染料も徐々に押し上げられ、垢となり排出されるのです。

一方、表皮層の下に存在する真皮層へ染料を注入する眉タトゥーは半永久的に残るといわれています。というのも真皮層はターンオーバーがおこなわれないため、染料が皮膚にとどまり続けるからです。除去するためには皮膚移植やレーザーによって色素を取り除く必要があります。また、医療資格を持たない施術者によるものなので、失敗やトラブルが発生した場合に適切な対応をしてもらえない可能性があります。

眉アートメイクの施術が向いている方

  • 毎日のメイク時間を短縮したい方
  • 素顔での外出に抵抗がある方
  • 年を重ねるにつれて眉が薄くなってきた方
  • 汗をかく度にメイク直しをするのが面倒な方
  • 眉が左右非対称なのが気になる方
  • 過度な抜毛で眉が生えてこなくなった方

デザイン決め方と眉アートメイクの技法

眉アートメイクにおけるデザインの決め方

眉アートメイクのデザインは、一般的に人が美しいと感じる「黄金比率」に基づいて決められます。実際は目盛りのついた眉デザイン専用のツールを使用してガイドラインを描き、好みのデザインに微調整していきます。

染料にはこげ茶色やグレーがかったブラウンなどさまざまな色味があります。眉アートメイクでは複数の染料をブレンドして理想の色味に近づけます。

眉の黄金比率

眉頭は小鼻の延長線上に設定

鼻すじから自然につながる位置、つまり小鼻の延長線上に眉頭を置くと、骨格が際立って見えます。眉頭は顔の印象に関わる重要な部位とされており、このラインが中心に寄るとキリッとした印象に、中心から離れると優しい印象に変化します。

眉山は黒目外側と目尻の間に設定

眉山は黒目の外側から目尻の間の真上に置くのが良いとされています。それぞれの骨格によってベストな位置は異なりますが、眉山が目尻よりも外側に出ると顔全体が横に広がって見え、立体感がなくなるとされています。また、黒目よりも内側に寄るとバランスが悪くなり、面長の人は縦の長さが強調されるといわれています。

眉尻は口角と目尻の延長線上に設定

顔の横幅が短めな面長の人は、口角と目尻の延長線上に眉尻を置くことで引き締まった顔立ちを演出できるといわれています。反対に、顔の横幅が広めな丸顔の人は、小鼻と目尻の延長線上まで長めに眉を引くスタイルが似合うとされています。また、眉尻の高さは眉頭と同じ、または眉頭よりもやや上が理想といわれています。

アートメイクには手作業とマシン注入がある

アートメイクには専用の針を使用して手作業で染料を注入するニードル注入と、アートメイク専用のニードルマシンを使用するマシン注入があります。

手作業によるニードル注入では、先端に針がついたペン型の器具を使い、施術者が手作業で一針ずつ染料を入れていく方法です。自然な毛並みや濃淡を再現しやすいという特長がありますが、施術者の技量次第で仕上がりに差が生じるといわれています。

マシン注入はミシンのように針が自動で振動する専用器具を使って染料を注入していく方法です。マシンによる作業なので自然な毛並みではなく、色ムラのないマットな仕上がりになります。ニードル注入と比べると施術時間も短いとされます。

眉の形が人に与える印象

顔の中でも眉は存在感のあるパーツであり、眉の形が変わると人に与える印象も変わるといわれています。眉のアートメイクを受ける際はデザイン決めが重要であるため、自分がなりたいイメージや理想の眉をカウンセリング時にしっかりと伝えましょう。

眉アートメイクの施術回数や痛みとダウンタイム

理想の眉に仕上がるまでに必要な施術回数は2~4回

眉アートメイクは1回の施術で色素が定着するケースは少なく、基本的には2~4回ほど施術を繰り返すことで理想的な仕上がりを目指します。1回あたりの施術で染料が定着する程度や色味の出方は個人差があるため、初回は眉の土台づくりをして、2回目以降で希望に応じて色や形の調整をおこなっていくイメージを持つと良いでしょう。

2回の施術を1セットのメニューとしている医療機関もあります。脂性肌や肌のターンオーバーの周期の影響で色が入りにくい肌質であったり理想の眉を追求したい場合は、さらに施術回数を重ねることも可能です。

施術時間に関しては、初診時はカウンセリングや眉をデザインする時間があるため、トータルで2時間~4時間ほどかかります。施術自体の時間は1時間~2時間程度が目安です。

2回目以降の施術は2~3週間ほど間隔を空けて受ける

2回目以降の施術は傷つけた皮膚が回復したのちに染料を重ねることで、色素の定着がしやすくなるといわれています。そのため、2回目以降の施術は2〜3週間ほど間隔を空ける必要があります。

また1カ月以上間隔が空いた場合でもアートメイクの仕上がりや効果に影響はないとされます。

眉アートメイクの施術時の痛み

眉アートメイクはクリームタイプの麻酔を塗布して施術をおこなうため、個人差はありますが痛みは少ないといわれています。施術中は毛を抜く際のような感覚がある程度とされており、途中で麻酔がきれて痛みを感じはじめた場合は麻酔の追加が可能です。

痛みの感じ方は当日の体調によっても変わるので、施術を受ける前日は十分に休息を取ることが推奨されています。

眉アートメイクの術後経過とダウンタイム

  • 施術直後:内出血による赤みや腫れ、創部に軽微な痛みを感じる場合がある
  • 術後2~3日:赤みと腫れが落ち着き、創部がかさぶたになり痒みが生じたり、かさぶたによって眉が濃くなったように感じられる
  • 術後5~7日かさぶたが剥がれはじめ、自然な色味に落ち着く:

眉アートメイクのダウンタイムは1週間ほどとされます。施術後1週間前後は創部からの細菌感染を防ぐために、必要以上に眉に触れないようにしましょう。

施術部位の腫れや出血に加えて感染症を防ぐために、過度な運動・アルコールの摂取・温泉・サウナは2週間ほど避けるようにしてください。また痛みや腫れ、赤みが1週間以上続く場合は施術を受けた医療機関に相談しましょう。

施術後は外出などを控える必要は特にありませんが、かさぶたが生じる期間は眉が濃く見えることがあるため余裕を持った施術計画を立てましょう。。眉の濃さが気になる場合は、ワセリンを塗った上から肌色のフェイスパウダーを当てると色を薄く見せることができます。

眉アートメイクを受ける前に知っておくべきこと

眉アートメイクに多い失敗を回避する方法

眉の太さや色の濃さは微調整して仕上げる

眉アートメイクでは、眉の色が濃すぎる、太すぎるなど「思っていた仕上がりと違う」と感じることがあります。

眉アートメイクは基本的に2~4回施術を繰り返すため、1回目は薄く細めに仕上げてもらい1回目における色味や形を確認しながら、2回目以降で濃さや太さを微調整していくと大きな失敗を回避できるでしょう。

歳月の経過による変色はリタッチで補う

黒い染料には青い色素、ブラウンの染料には赤い色素が含まれているという特徴から、年月の経過とともに青みがかった色や、赤茶色に変色することがあります。とくにライトブラウンなどの明るい色は色落ちしやすくて、施術時に使用した染料の種類や品質によっても変色のリスクが異なるとされています。

変色した部位は色を新たに追加するリタッチによって、目立たなくすることが可能です。また色素が定着するまでは施術部位を強くこすらない、しっかり保湿をするなどのセルフケアをおこなうことで、色の持続期間を伸ばすことができます。

医療機関以外では施術を受けない

本来は表皮層に入れるべき色素を真皮層にまで入れてしまった場合、タトゥーのようにいつまでも色素が残ってしまいます。これは医師免許を持たない施術者が、浅い知識・技術のもとでおこなった結果生じることがあります。アートメイクは医療機関で医療従事者のみが施術をおこなうことができます。眉アートメイクの施術は医療機関で受けましょう。

眉アートメイクのリスク

感染症のリスク

使用する器具や施術現場の衛生管理が適切におこなわれていなかったり、一度使用した針を使いまわしたりしていた場合、施術部位の腫れやB型肝炎・エイズ(HIV)などの感染リスクがあります。

施術を予定している医療機関で使われている針が、ディポーザブル(使い捨て)かどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。加えて医療用の滅菌機や消毒薬を使用しているか、空気感染防止のために空気清浄機を導入しているかなどについて、カウンセリングや診察を受ける際にチェックしておきましょう。

アレルギー反応のリスク

色素に反応して金属アレルギーをおこし、腫れが治まらないケースもあります。再施術までには一定の期間をあける必要があるので、アレルギー反応が生じてもすぐにアートメイクを除去することはできません。

そのためアレルギーの心配がある方は、事前に施術者に伝えてパッチテストを受けましょう。パッチテストには肌の目立たない部位に針で小さく色素を入れて異常が出ないか確認するものや、染料のみを肌に直接塗布して経過を見るものなどがあります。

修正や除去にともなうリスク

仕上がりに満足できなかった場合、レーザーや除去剤を用いて色素を薄くする方法があります。しかし除去するためには何度も繰り返しおこなう必要があるため、時間的にも金銭的にも負担がかかってしまいます。また色素だけに反応するようにレーザーを照射しないと、毛根をつくり出すメラニン色素が破壊されて、眉毛が生えてこなくなる可能性もあります。

色を消したい部位に肌色の染料を入れて目立たなくする方法もありますが、地肌の色と完全には一致せずに違和感が残ってしまう可能性もあります。このような失敗をしないためにも施術者とデザインの確認をしっかりおこなうことが大切です。

  • 金属成分が少ない染料の除去:ピコレーザー・YAGレーザー・除去クリーム
  • 金属成分を多く含む染料の除去:CO2レーザー・外科手術・除去クリーム

医師免許を持たない違法業者に注意

近年は違法業者の取り締まりが強化されているものの、過去には医師免許を持たない無資格者による施術によって後にトラブルが生じたといった事例も報告されています。

アートメイクは針で皮膚に色素を入れる医療行為であり、医療機関でのみ施術が認められています。医師免許を持ったドクター、またはドクターの指導を受けた看護師以外が施術をおこなうことは医師法違反となります。施術のトラブルを避けるためには必ず医療機関で受けるべきといえます。

眉アートメイク施術前後の注意点

施術前

  • アルコール・カフェインは血行を促進する作用があり施術時に出血しやすくなるので、施術前日から当日にかけて摂取を控える。
  • メイクの好みや雰囲気を伝えるため、デザイン決めの際は普段どおりのメイクで受診する。

施術後

  • 施術部位になるべく紫外線があたらないように、外出時は帽子をかぶるなどしてケアする。日焼け止めの塗布は施術1週間後から可能。
  • 眉以外のメイクは施術直後から可能がだ、施術部位のメイクは1週間ほど避ける。また創部からの感染症を防ぐために、メイクブラシやアイシャドウチップなどのメイク用具は清潔な物を使用する。
  • 洗顔はこすらず、刺激を与えないように軽く洗い流す程度にする。
  • 化粧水や乳液などの化粧品も施術部位に触れないようにする。
  • 入浴は腫れや赤みがあるうちはシャワーだけですませる。

眉アートメイクの施術を受けられない方

妊娠中の方や、血液の病気を伴う方、ケロイド体質の方は施術を受けることができません。そのほかにも、以下の美容施術を受けた方は間隔を空ける必要があります。

眉アートメイクを受ける際に間隔を空ける必要のある施術

  • 眉ブリーチ:肌がダメージを受けているため、最低2週間以上あける
  • レーザー・光治療:一時的に肌がダメージを受けて色素が定着しにくくなっている状態であるため、最低2週間以上あける
  • ピーリング:肌のターンオーバーのサイクルが短く、色素が退色しやすいため、最低1カ月以上あける
  • 眉間や額へのボツリヌス注射:眉のデザインが崩れる可能性があるため、最低1カ月以上あける
  • 美容整形:輪郭や表情が大きく変わるため、最低3カ月以上あける

眉アートメイクの施術にかかる料金目安

施術回数 料金目安
1回 40,000~90,000円
2回セット 70,000~150,000円

アートメイクは自由診療のため、施術費用は基本的にすべて自己負担となります。一般的に1D・2D・3D・4Dの順で料金が高くなることが多いとされます複数回の施術が必要なことから2回分の施術を1セットとしている医療機関もあります。

眉アートメイクを失敗しないための医療機関の選び方

アートメイクは「医療アートメイク」や「メディカルアートメイク」ともいわれる医療行為であるため、エステサロンではなく必ず医療機関で施術を受けましょう。なかでもドクターや看護師のスキルが高く、アートメイクの実績が豊富な美容外科・形成外科・皮膚科などの医療機関で施術を受けるのが好ましいといえます。

多くの医療機関では、技術によって施術を担当する看護師のランク制を導入しています。院内で設けた高水準の認定試験に合格している医療従事者や、国内外で経験を積み、国際Certificateの資格保有者が在籍している医療機関もあるので、ホームページなどで事前に確認して担当者を指名する方法もあります。

技術面だけで判断するのではなくて、使い捨てタイプの針を使用しているかといった衛生面のチェックもおこないましょう。感染症のリスクが不安な場合は、滅菌パックから針を出すところを実際に見せてもらうと良いでしょう。

万が一施術に満足できなかった場合に修正・除去などをおこなっているか、トラブルが起きた際はアフターフォローまで責任をもつ医療機関か見定めることが大切です。そして眉のデザインには施術者個人のセンスもあらわれるので、施術を受ける医療機関の眉アートメイクのデザインを、ホームページで確認しておくと良いでしょう。

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