マスクの下で進行するたるみに注意|たるみを予防・改善する方法
マスクをする機会が増え、顔を隠している安心感があったり、あるいは人に会う機会が減って表情が乏しくなっていると、口もとの表情筋がゆるんでたるみが進行してしまいます。
ほうれい線や口もとのマリオネットラインは皮膚のたるみによっておこるものです。たるみを放っておくとほうれい線やマリオネットラインは徐々に深くなっていきます。
今からでもたるみの進行を遅らせるためには、皮膚がたるんでしまう原因を知り、自分の肌と向き合って、たるみを予防するための正しい知識を知っておくことが大切です。
また、深いほうれい線など進行してしまったたるみでも、美容医療では改善に効果が期待できる施術があります。美容医療ではたるみに対してさまざまなアプローチの方法があるので、たるみの進行の程度で選んだり、いくつかの施術を併用することで、よりたるみ改善の効果が高まります。
もくじ(メニュー)
表情のゆるみはたるみを引き起こす原因に
たるみの原因1: 表情筋のゆるみ・筋力低下と表情癖
たるみの原因のひとつに、顔の筋肉である表情筋のゆるみや衰えがあります。加齢によって筋肉が衰えると皮膚や皮下脂肪を支えきれなくなってたるみを引き起こしますが、年齢に関係なく無表情でいることが多い方は表情筋がゆるんでしまい、同年代の人と比べてたるみが目立つことがあります。
また、食事の際に片方の歯でばかり噛むといった嚙みグセや、歯並びの影響、表情のクセ、いつも左右どちらかを下にして寝ている、頬杖をつくクセがある、うつむきがちな姿勢など、生活習慣による影響で骨格がゆがむこともたるみを引き起こす原因となります。
そのほか、急激なダイエットや、痩せたり太ったりを短期間で繰り返すことは筋力の低下につながってたるみを引き起こすと考えられます。生活習慣や日頃のクセを見直すことで改善できるケースもあるので、思い当たることがある場合には早めに対策することが大切です。
たるみの原因2: 皮膚と骨をつないでいる支持靭帯のゆるみ
皮膚と表情筋と呼ばれる顔面の筋肉は支持靭帯(リガメント)によって骨に固定されています。支持靭帯は、貝柱のような細いひも状の繊維組織で、顔表面の皮膚や表情筋を骨にしっかりとつなぎ、脂肪を支える役割があります。顔のたるみをベルトのように押さえてくれている重要な組織です。 加齢やストレス、嚙みしめグセや無表情などの表情のクセなどさまざまな要因で支持靭帯が劣化してゆるむと、脂肪や皮膚を支えきれなくなって重力によって下にさがり、たるみが生じやすくなります。
そのほか3つのたるみの原因
表皮層の水分量の減少や真皮層のコラーゲンやエラスチンの減少
乾燥もたるみの原因となるので、肌を保湿することが大切です。 皮膚に十分な保湿力があり、シワを押し返すハリや弾力が備わっていれば、たとえば笑ったとき以外にほうれい線が目立つことはありませんが、乾燥肌だと皮膚の弾力が失われ、シワがどんどん深くなってほうれい線を定着させてしまいます。
肌のうるおいは皮膚の表面を覆っている皮脂膜と表皮層によって守られています。皮脂膜と表皮層はわずか0.2mm~0.3mmミリの厚さ。たとえば、洗顔時に顔をゴシゴシ洗ってしまうと、肌が傷つきうるおいが失われやすくなってしまうので注意が必要です。
ヒトの皮膚は、外側から表皮層、真皮層、皮下組織(脂肪)の3層構造になっています。真皮層は、強度のある線維状のタンパク質である「コラーゲン」が約70%を占めていて、その間をゼリー状の物質である「ヒアルロン酸」が、水分を抱えながら満たしています。さらに「エラスチン」という弾力性をもつ線維状のタンパク質がコラーゲン同士を束ねていて、肌にハリや弾力を与えています。
真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が、紫外線やストレス、食生活の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、加齢などによって劣化・減少することで皮膚を支えているハリや弾力が失われると、皮膚が重力に逆らえなくなってたるみが生じます。
脂肪などの皮下組織の下垂および変化
もともと皮下脂肪の多い方は脂肪が下垂してたるみが生じやすい場合があります。特に表情のクセや加齢などで表情筋が衰えたり皮膚と骨をつないでいる支持靭帯が衰えてゆるんでくると脂肪を支えきれなくなってたるみます。
いっぽう、年齢を重ねると脂肪はだんだん減ってきます。それまで皮膚を支えていた脂肪がなくなることで、ハリがなくなり、風船がしぼんでゴムが垂れ下がるように、皮膚にたるみが生じて老けてみえてしまうこともあります。
骨の容積減少
骨は加齢とともに萎縮します。骨の組織は、つねに古い骨が壊される骨吸収と、新しい骨がつくられる骨形成というサイクルをくり返しています。年齢を重ねると、骨吸収が骨形成を上回り、徐々に骨が痩せていきます。皮膚と筋肉を支えている支持靭帯は骨に付着しているため、骨が痩せてくると靭帯も下がったり伸びたりして一緒に変形し、たるみが生じる原因となります。
たるみを予防・改善するためのホームケア
たるみを予防・改善するエクササイズ・マッサージ
表情筋を鍛えるエクササイズ
表情筋の中でも特にたるみに大きく関係するのは、口元を囲むように覆う筋肉である口輪筋(こうりんきん)と、口角からこめかみにかけて伸びる大きな筋肉である大頬骨筋(だいきょうこつきん)です。口輪筋と大頬骨筋を効率的に鍛えることでたるみを予防します。
肌が乾燥した状態でエクササイズをおこなうと、シワなどの癖がつきやすくなるため、事前にクリームや乳液でしっかりと保湿してからおこないます。ただし、やりすぎると嚙み合わせの部分あたりにある咬筋(こうきん)が発達してエラが張ってみえてしまうこともあるのでご注意ください。
口輪筋(口元を囲むように覆う筋肉)を鍛える舌回しエクササイズ
舌を大きく回すことで口輪筋を鍛えてほうれい線を予防するエクササイズです。
- 口を軽く閉じた状態で舌先に力を入れて、舌でほうれい線を内側から伸ばすように歯茎の外側を3秒かけてゆっくり回す
- 逆回転もおこない、1日15セットを目安におこなう
大頬骨筋(口角からこめかみにかけて伸びる大きな筋肉)を鍛える割りばしエクササイズ
大頬骨筋を鍛え、頬のたるみを引き上げるエクササイズです。
- 割りばしを口にくわえる
- 口角と頬を上げるように意識しながら「い」の口をつくり30秒~1分間キープ
口角を上げるだけでなく、頬全体も一緒に引き上げるのがポイント
1日3回を目安におこなう
支持靭帯(リガメント)のマッサージ
たるみを予防・改善するうえで筋肉へのアプローチのほかに欠かせないのが、顔の支持靭帯(リガメント)のケアです。 支持靭帯は劣化すると硬く細くなって皮膚や脂肪を支えきれなくなり、顔がたるんでしまいます。
衰えた支持靭帯を再生させるには、まず自分の気になるパーツの支持靭帯を指で垂直に強めに押してよくほぐし、次に指でつまんでは離すというマッサージをおこないます。このリガメントマッサージを習慣にすれば、硬く細くなっていたリガメントがよみがえって再生し、皮膚や脂肪を正しく支えられるようになるので、顔が引き上がる効果があるといわれています。
ほうれい線や口角のたるみに咬筋(こうきん)リガメントのケア
嚙み合わせ部分にある咬筋(こうきん)リガメントをケアするとほうれい線を薄くさせる効果、口角が引きあがる効果があるといわれています。歯ぎしりや嚙みしめグセがある人は咬筋リガメントが劣化しがちで、咬筋リガメントが衰えると、ほうれい線や口角のたるみが目立つようになるので特にケアが必要です。
- もみあげよりも少し前側にある、嚙み合わせのあるあたりに左右の親指以外の4本の指を当て、いた気持ちいい程度の強さで垂直に1秒押す×3回
- 同じ部分を、左右の手の親指と人差し指の側面でつまんで離す×6回
ほうれい線・首のたるみ・フェイスラインのたるみに下顎(かがく)リガメントのケア
口角の斜め下あたりにあるのが下顎(かがく)リガメントです。下顎リガメントをケアするとフェイスラインや首がリフトアップし、ほうれい線を改善させるといわれています。
- 口角の斜め下あたりに左右の手の人差し指と中指を当て、いた気持ちいい程度の強さで1秒押す×3回
- 同じ部分を親指と人差し指の側面でつまんで離す×6回
たるみを改善するスキンケア
高保湿の化粧品を選ぶ
乾燥はたるみの原因になります。乾燥が進むと肌のハリやツヤが失われ、結果として肌がたるんでしまいます。高保湿成分が配合されている化粧品を選び、乾燥をしっかり防ぐことが大切です。
保湿成分の例
- セラミド
- ヒアルロン酸
ハリに効果がある成分が入った化粧品を選ぶ
たるみ対策には、肌にハリを与える成分が配合された化粧品を選ぶことも有効といわれています。
ハリに効果がある美容成分の例
ビタミンC誘導体
- ハリ、エイジングケア、美白に効果的
- 不安定なビタミンCを安定化させた成分
成分表示例
- リン酸アスコルビルMg
- パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
レチノール(ビタミンA)
- ハリ、シワ改善、肌荒れ、美白に効果的
ペプチド
- ハリ、シワ対策、正常なターンオーバーに役立つ
- アミノ酸が複数連なった成分
ナイアシンアミド
- 細胞を活性化させ肌内部のハリ成分を増やしてくれる働きがある
たるみ対策として生活習慣の改善
紫外線対策の徹底
紫外線は表皮層の水分量の減少や真皮層のコラーゲンやエラスチンを減少させ、たるみの原因となります。曇った日でも油断は禁物。日焼け止めクリームはこまめに塗り直し、帽子やサングラス、日傘などでも紫外線対策を忘れないようにすることが大切です。また、うっかり紫外線を浴びてしまったあとは保湿ケアを怠らないようにすることも重要です。
表情のクセや姿勢に気をつける
嚙み癖や表情の癖、無表情、うつむきがちな姿勢など、日頃のクセや姿勢がたるみを引き起こすこともあるので注意が必要です。
食生活の乱れやストレス対策
食生活の乱れやストレスによってもコラーゲンやエラスチンが減少し、たるみを引き起こします。偏食や夜更かしは避け、栄養バランスのとれた食事と充分な睡眠時間をとり適度な運動をしてストレスをためないことも大切です。
美容医療でたるみに効果のある施術
たるみ対策は、まだたるみが進行しないうちからコツコツと毎日のケアの積み重ねが大切ですが、自己流のホームケアだけではなかなか目に見える効果を実感しにくいことも多々あります。
美容医療では根本的なたるみの原因にアプローチし、たるみを改善できる施術があります。 美容医療によるたるみ治療にはさまざまなアプローチがあるので、たるみの進行の程度や対象とする部位で選んだり、どのくらい効果を求めるのかなどの希望によって施術を選ぶことができます。 また、いくつかの施術を併用することで、よりたるみ改善の効果を高めることもできます。
ハイフ(HIFU)による肌のリフトアップ効果
ハイフ(HIFU)によるたるみ治療は、皮膚下に存在するSMAS層(表在性筋膜群)と呼ばれる表情筋を覆っている筋膜に超音波を照射し収縮させて、皮膚の下からたるみを引き上げる美容医療です。
また、真皮層へ熱エネルギーを与えることでコラーゲンを生成する働きを持つ線維芽細胞が刺激されて、コラーゲン生成が促されます。真皮の約70%はコラーゲンが占めることから新しいコラーゲンに置き換わることで、肌のハリ改善や毛穴の収縮効果が期待できます。
ハイフによるたるみ治療ができるマシンにはウルセラ、ダブロ、ウルトラセルQ、ウルトラフォーマーⅢなどがあります。 ハイフを照射できる部位は、額・目もと・頬・あご下・首のたるみ改善のほか、二の腕・腹部・臀部・太ももの部分痩せにも効果が期待できます。
ハイフは施術を受けた直後から、肌のハリに変化を感じる方もいるとされています。一般的に効果が現れる目安は、真皮層のコラーゲンが熱刺激による反応で新しいコラーゲンに置き換わる約2カ月~3カ月後からです。さらにその後も効果は半年程度、持続するとされています。
最初の施術から3カ月程度あとに追加の施術(タッチアップ)をおこなうと、さらに効果が高まり持続期間が長くなるといわれています。
ハイフ治療に向いている方
- 表情筋がゆるみだす、40代以降の方
- ほうれい線が目立つ
- 二重顎、フェイスラインのたるみ(脂肪)が気になる
- 頻繁には施術に通えない(例:高周波治療は週一の施術がおすすめ)
- 首のしわを軽減したい
- 顔全体のエイジングケアをしたい
- 深いしわや目の周りのしわが気になる
- 肌のハリや、毛穴の縮小など肌質改善したい
- 小顔になりたい
- 目元周辺、額、口元周囲のしわの改善
- 首周りのしわをなくしたい
- 部分痩せしたい
ハイフ治療のダウンタイム・リスク
赤みがでることがありますが1日~2日程度でおさまります。また、軽い筋肉痛のような痛みが残ることがありますが、数日~1週間程度でおさまるとされています。
ハイフ治療と併用すると効果が高まる施術
顔の脂肪を引き締める高周波治療(サーマクールなど)
皮膚の奥のSMAS層に作用してゆるんだ表情筋を引き上げるハイフ(ウルセラなど)と、皮膚の真皮層と皮下組織(おもに脂肪の層)に作用して皮膚を引き締める高周波治療(サーマクールなど)を併用することで、皮膚の浅い部分と深い部分に同時にアプローチできて効果的なたるみ治療がおこなえます。
糸でたるみを引き上げるスレッドリフト
スレッドリフトとは、皮膚の下に医療用の糸を通してたるみを引き上げる施術です。施術直後からリフトアップ効果を実感できるとされていますが、糸で下垂した皮膚を引き上げても、加齢によるたるみの進行を完全に止めることはできないので、またゆるんでくる筋膜や表情筋を定期的にハイフでメンテナンスすることで、たるみの進行を遅らせることが期待できます。
高周波治療による肌の引き締め効果
サーマクールなどの高周波治療は、皮膚の真皮層と、その下のおもに脂肪の層である皮下組織に、電磁波のひとつ1つである高周波を照射して、熱収縮によってコラーゲン線維などのタンパク質と余剰脂肪を引き締める施術です。コラーゲンの生成を活性化させることでハリや弾力を回復させ肌質を改善する効果も期待できます。 熱を発生させるのは皮膚の奥深くなので、皮膚表面の組織が傷つくことはありません。
たるみ治療で使われるマシンのなかでリフトアップ効果の点ではハイフと比べると劣りますが、たるみの予防や、軽度のたるみの症状であるたるみ毛穴を引き締めたい方、顔に脂肪が多めでフェイスラインのもたつきが気になる方などに向いています。また、二の腕・腹部・臀部・太ももの部分痩せやセルライトの改善にも効果が期待できます。
高周波治療には施術後から即効性のある引き締め効果と、1カ月後くらいから徐々におこる美肌効果の2つの作用があります。 サーマクールの効果の持続期間は半年ほどといわれているので、年に1、2度、たるみの予防や肌質向上のためのメンテナンスとして施術の継続が推奨されています。
高周波治療に向いている方
- フェイスラインを引き締めたい
- ぽっちゃり顔が気になる、小顔になりたい
- たるみ毛穴を引き締めたい
- あごのたるみが気になる
- シワを改善したい
- 肌にハリや弾力がほしい
- ニキビ肌、ニキビ跡を改善したい
- 顔のたるみを予防したい
- 出産後や脂肪吸引後の腹部や二の腕のたるみを改善したい
- 太ももやヒップのセルライトを改善したい
高周波治療のダウンタイム・リスク
サーマクールなどの高周波治療は皮膚表面を傷つけないのでダウンタイムが短いのが特徴で、メイク、入浴、運動は当日からおこなえます。
軽い赤みやしびれ等の違和感が一時的に生じる場合がありますが、数時間で落ち着きます。 また、下あごや頬下に軽度のひきつれを感じることがありますが2週間~3週間で落ち着くとされています。
高周波治療と併用すると効果が高まる施術
表情筋をおおっているSMAS層を引き上げるハイフ(ウルセラなど)
ハイフ治療と高周波治療では作用する皮膚の深度が異なります。 コラーゲン線維や皮下脂肪の収縮による皮膚の引き締め効果のある高周波治療(サーマクールなど)と、表情筋を覆っているSMAS層に作用して皮膚の深部から引き上げるハイフ(ウルセラなど)を併用することで、たるんでしまった皮膚の引き締めと引き上げという2つの効果を得ることが期待できます。
スレッドリフトでたるみ改善・高周波治療(サーマクール)でたるみ予防
スレッドリフトは医療用の糸を使ってたるんだ皮膚を引き上げる治療方法ですが、スレッドリフトでたるみを改善したあとのメンテナンスとして、サーマクールなどの高周波治療で皮膚を引き締め、ハリや弾力を保つことで加齢によるたるみの進行を遅らせることが期待できます。
たるみを糸で引き上げるスレッドリフト
スレッドリフトは、皮膚の下に針で糸を挿入して、たるみを引き上げる治療です。 スレッドリフトは種類が豊富で、糸の素材には溶ける糸と溶けない糸があって、糸にコグやバーブと呼ばれるとげ型の突起や、バイオコーンと呼ばれる円すい型の突起がついているものがあります。
突起の形状や数、糸の上端を側頭部の筋膜に固定するかしないかによっても引き上げる力が変わるので、引き上げたい部位やたるみの状態をみて、数種類の糸を組み合わせて併用するケースもあります。
たるみを改善する治療のなかでは外科的手術でメスを使って切開して引き上げるフェイスリフト手術がもっとも効果が高いといわれていますが、腫れやむくみといったダウンタイムも大きいことから、身体へのダメージを少なくし、ダウンタイムを短くしながらもリフトアップ効果が大きいスレッドリフトが考案されました。
施術直後からリフトアップ効果が感じられるといわれ、効果の持続期間は溶ける糸で1年~2年、溶けない糸で4年~5年程度です。
スレッドリフトに向いている方
- 頬のたるみが気になる
- 口元のたるみを改善したい
- ほうれい線やマリオネットラインが深くなってきた
- すぐにリフトアップしたい、即効性がほしい
- 多少ダウンタイムがあってもより高いリフトアップ効果を求めたい
- リフトアップ効果を長持ちさせたい
スレッドリフトのダウンタイム・リスク
スレッドリフトを受けたあとは腫れ、むくみ、鈍い痛みやひきつれなどの違和感がでることがありますが2日~3日程度でおさまります。また、針の挿入による内出血が生じる場合がありますが、1週間~10日程度で解消されるとされています。
スレッドリフトと併用すると効果が高まる施術
余分な脂肪を減らす脂肪溶解注射
たるみが気になる部分に脂肪が多い方はスレッドリフトの施術を受ける前に脂肪溶解注射で脂肪を減らしてからスレッドリフトを受けると効果的です。
脂肪溶解注射は、脂肪細胞を破壊して体内の脂肪細胞の数を減らすことで、部分痩せを目指すことができる美容医療の施術です。顔の脂肪が多めでたるみを引き起こしている場合は、脂肪溶解注射で余分な皮下脂肪を減らしたあとに、糸でたるんだ皮膚を引き上げることで、よりたるみ改善効果が高まります。
脂肪溶解注射の1回あたりの施術における注入量は、両側のフェイスラインで2cc~4cc程度、両頬で2cc~8cc程度、あご下で3cc~5cc程度が目安です。フェイスライン・頬への脂肪溶解注射をおこなう場合、薬剤の注入量が多すぎると、脂肪細胞の過度な減少によって頬がこけて実年齢よりも老けて見えてしまうリスクがあります。ドクターと相談しながら注入量を決めることが大切です。
ボリュームを補うヒアルロン酸注入
スレッドリフトでたるみを引き上げることはできますが、加齢によって痩せてしまった骨や皮下脂肪のボリュームロスを補うことはできないので、ヒアルロン酸注入によって頬の位置を高くみせるなど、ボリュームを補うことで若々しい印象に導きます。
痩せてしまった骨や皮下組織を補うヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入はシワ取り治療として有名ですが、たるみ治療にも使用されます。固めのヒアルロン酸を骨が痩せてゆるんでしまった支持靭帯を補強して持ち上げるように皮膚の深部(骨の表面を覆っている骨膜の上〜皮下深層)に注入することで、リフトアップ効果を狙うことができます。
加齢とともに骨や皮下脂肪は減少するので、くぼんでしまった頬やこめかみにヒアルロン酸を注入することでボリュームを補い、頬骨の位置を高くふっくらと見せ、より若々しい印象に導きます。
ヒアルロン酸はもともとヒトの体内にある成分で、注入部位や注入量、ヒアルロン酸の製剤の種類によって異なりますが、1年~2年かけてゆっくりと体内に吸収されていきます。ヒアルロン酸注入の効果を保つためにはドクターのアドバイスに従って定期的に受けることが推奨されています。
ヒアルロン酸注入が向いている方
- 頬がコケて老けた印象を与えてしまう
- こめかみがくぼんで老けた印象を与えてしまう
- 頬骨が痩せてたるみが気になる
- ほうれい線が気になる
- 目の下のくぼみが気になる
- マリオネットラインが気になる
ヒアルロン酸注入のダウンタイム・リスク
ヒアルロン酸注入は、腫れ、熱感、痛み、痒み、注入部分に赤い斑点、つっぱり感などがあらわれることがありますが、数日~1週間程度でおさまります。 また、針の挿入によって内出血がおこる場合がありますが1週間~10日程度でおさまるとされています。
ヒアルロン酸注入と併用すると効果が高まる施術
糸でたるみを引き上げるスレッドリフト
たるんだ皮膚をスレッドリフトで引き上げて、ヒアルロン酸注入でこけてしまった頬やこめかみのボリュームを補うことで若々しい印象に導きます。また、シワが気になる部分にヒアルロン酸を注入することでシワを目立たなくする効果があるので、スレッドリフトでは対応できない細かいシワなどの改善が期待できます。
手術によるたるみ治療のフェイスリフト
フェイスリフト手術は、耳からこめかみあたりの目立たない部位の皮膚を外科手術によって切開して、皮膚を引き上げてたるみを解消する治療です。フェイスリフト手術はほかのたるみを改善する施術と比べて高いリフトアップ効果が期待できます。圧倒的に見た目が変わって、効果の持続期間も5年~10年といわれています。
ただし、フェイスリフト手術はメスを使って皮膚を切開し、たるんだ皮下組織を切除するので、施術後のダウンタイムが長くなります。
フェイスリフトが向いている方
- 40代後半~50代以降の方
- ほうれい線やマリオネットラインが深い
- 重度のたるみに悩んでいる
- 目に見える変化をすぐに実感したい
- 若返りの効果を求めたい方
フェイスリフトのダウンタイム・リスク
腫れや内出血、鈍い痛みや違和感が2週間程度生じるといわれています。また、手術により皮下に血液がたまってしまう血腫や、感染症のリスクがあります。信頼できるドクターのもとで起こりうるリスクの説明をきちんと受け、充分に理解したうえで施術を受けることが大切です。
フェイスリフトと併用すると効果が高まる施術
高周波治療などの肌質改善効果がある施術
フェイスリフト手術は1度受けるだけでたるみを引き上げる効果が高い施術ですが、たるんだ皮膚を引っ張りあげるだけなので、皮膚のハリや弾力は失われたままです。
フェイスリフト手術のあとのメンテナンスとして、皮膚のコラーゲンやエラスチンを生成する高周波治療などで肌質改善の効果を得ることで、ハリや弾力のある若々しい肌を取り戻す効果が期待できます。
失われたボリュームを補うヒアルロン酸注入
いくらフェイスリフト手術で皮膚のたるみを引き上げることができても、加齢にともなって痩せてしまった骨や皮下脂肪を補うことはできないので、頬やこめかみがこけたままでは老けた印象はあまり変わりません。こけてしまったこめかみや頬にヒアルロン酸を注入することで、頬骨の位置をふっくらと高く見せるなど若々しい印象を目指せます。また、細かいシワにヒアルロン酸を注入することでシワを改善することができます。
たるみ治療を受ける際の医療機関の選び方
マスクをしている安心感で口もとがゆるんでいたり、人に会う機会が減って表情が乏しくなっていると知らず知らずのうちにたるみは進行していきます。たるみ対策にはもちろん日々のケアが大切ですが、美容医療でたるみを改善するという方法にもたくさんの選択肢があります。
効果の高い施術には赤みや腫れなどをともなうダウンタイムが長くなる傾向にあるのも事実ですが、マスクをする機会が増えている今こそ、たるみ治療の施術を受ける良い機会ともいえます。
たるみ治療にはさまざまな施術があるので、自身にあった方法を選ぶためにはたるみ治療の実績があって経験豊富なドクターが在籍する医療機関でカウンセリングを受けることが大切です。
たるみ治療は、高周波やハイフなどのマシンによる施術だけ、あるいはヒアルロン酸注入だけ、という医療機関よりは、たるみ治療のメニューが豊富な医療機関を選び、自身の悩みや理想とするイメージをじっくり相談してみることをおすすめします。
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