痛みが少ない蓄熱式脱毛機ソプラノチタニウムの特徴と施術方法や副作用

医療レーザー脱毛機はどれも同じではなく、レーザーの波長や照射エネルギーなどが違い、生えている毛に対してのアプローチ方法も異なります。「ソプラノチタニウム」は痛みが少ないとされている蓄熱式の医療レーザー脱毛機です。肌色を問わず日焼けした肌にも使用でき、また部位を問わず全身にも使用できることから、2019年に発売して以来、各地で採用するクリニックが広がってきました。

医療脱毛は痛いイメージが根強いですが、ソプラノチタニウムは痛みが少ない医療脱毛機として使用されています。ソプラノチタニウムの特徴を知ることで、他の脱毛機との違いや痛みが少ない理由を知ることができ、自分にあった医療脱毛機を選ぶことができます。

また安心して施術を受けるために、ソプラノチタニウムの施術方法や起こり得る副作用、リスクについて正しい情報を確認してください。

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ソプラノチタニウムの特徴

ソプラノチタニウムはイスラエルのレーザーや高周波および超音波を研究し、医療美容製品を提供しているAlma（アルマ）社が開発した「ソプラノシリーズ」の2019年発売の最新機種です（2020年現在）。ソプラノシリーズには3種類あり、最新機種のソプラノチタニウムはより速く、より効果的な脱毛ができるよう大幅に改善されました。

従来のソプラノシリーズとの比較

照射面積が2倍になり施術時間が短縮

照射（スポット）サイズが2cmから4cmになったため、施術時間が大幅に短くなりました。背中などの広範囲も約5分程度、時間がかかるとされていた全身脱毛も約30分程度で完了することができます。

独自の3Dテクノロジー搭載でさまざまな毛に対応

ソプラノチタニウムは臨床試験に基づいた独自の3Dテクノロジーで3種類のレーザーを組み合わせ、毛の成長に携わる細胞組織を効果的に照射します。細胞組織の深さは部位によってさまざまですが、解剖学的構造を3Dテクノロジーに搭載していることでさまざまな毛にアプローチすることができます。

コネクタが2本になり効率アップく

ソプラノチタニウム1台につき同出力のコネクタが2本ついているので、2人で施術をおこなうことができます。施術時間の短縮または施術人数の増加が見込めます。

毛を生やす組織に熱を溜めて破壊する蓄熱式脱毛

医療脱毛機の照射方法は「蓄熱式」と、「熱波壊式（ショット式）」の2種類があります。

ソプラノチタニウムは蓄熱式のため、毛包（毛を包んでいる組織）全体に熱を溜めて、毛を生やす指令を出すバルジ領域に低出力のレーザーを連続で照射しダメージを与えることで脱毛効果をあげる方法です。

一点集中の照射方法ではなく広範囲に照射して徐々に毛を生やす細胞を破壊していくため、熱波壊式（ショット式）よりも即効性はありませんが痛みが少ないのが特徴です。

連射式のためムラがなくキレイに仕上がる

ソプラノチタニウムは照射口全体に均一な低出力のレーザーを高速で連射（1秒間に10発照射）していきます。肌から離すことなく施術をおこなうため広範囲の肌にも照射漏れがなく、ムラがなくキレイな脱毛効果が期待できます。

冷却装置がレーザー口に搭載されているので痛みが感じにくい

多くの医療レーザー脱毛機はレーザー口と冷却口が異なっているため、冷却までのわずかな時間にレーザーによる痛みを感じやすい設計でした。しかしソプラノチタニウムの場合、レーザー口と冷却口が同じ部分に搭載されており、皮膚表面を冷却しながら施術をおこなうことができます。

ソプラノチタニウムは蓄熱式のため、レーザー照射による痛みが少ないとされていますが、冷却装置をレーザー口に搭載することでもさらに痛みを感じにくい設計になっています。

また、照射熱量を画面で確認でき、施術中も随時調節できるため強く痛みを感じた部位のみ照射量を下げるなどの微調整も可能です。

小学生脱毛メニューに使用しているクリニックもある

痛みが少なく、デリケートな肌にも使用できることから子ども脱毛として小学生や中学生の脱毛メニューとして出しているクリニックもあります。レーザーによって皮脂腺を破壊することはほぼなく、子どもが施術をしても将来肌がカサつくという報告も今のところないため、安心して脱毛ができます。

施術時間が早い

高速照射による照射時間の短縮に加え、レーザー照射口が今までの2倍の4cmの大きさになり（クワトロハンドピース使用時）広範囲の照射ができるようになったため、照射面積の広い背中や足の後ろも5分以内が完了できるとされています。大幅な施術時間の短縮が見込めるため、時間がかかるとされていた全身脱毛も1回につき30分程度で完了することも可能です。

肌質を問わずさまざまな太さの毛に働きかける

医療レーザーには

• アレキサンドライトレーザー
• ダイオードレーザー
• YAG（ヤグ）レーザー
• ルビーレーザー

の4種類のレーザーの波長があり、それぞれ特徴が異なります。

脱毛機によって搭載されているレーザーの波長が異なり、肌質や毛の太さによって脱毛機を選ぶことが一般的です。

しかしソプラノチタニウムは、「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「YAG（ヤグ）レーザー」の3種類のレーザー波長が同時に照射できるため、毛の太さや濃さが混在している場合でも高い脱毛効果が期待できます。また、地黒肌や小麦肌、シミなどがあっても脱毛ができます。

これまでの脱毛機は多くても2種類のレーザーで脱毛をおこなっており、3種類のレーザーが同時に照射できる脱毛器機は少なく、従来の医療脱毛よりも非常に高い脱毛効果が見込めます。

顔の産毛からVIOまで全身に使用できる

波長の違うレーザーが同時照射できるため、毛根が浅く細い産毛から毛根が深く太いワキ毛や陰毛にも高い効果を発揮します。指などの短い毛や脚の長い毛にもアプローチすることができるため、全身の脱毛に使用できます。

顔やひげ脱毛に使用しているクリニックが多い

ソプラノチタニウムは痛みが少ない蓄熱式脱毛機に加え、3種類のレーザーにより産毛にも効果が見込めます。さらにシミやそばかす毛穴の黒ずみでも使用できることから、顔や男性のひげ脱毛に使用しているクリニックが多いです。

ソプラノチタニウムの施術回数と頻度

施術回数は6〜10回程度

顔などの産毛や腕など細い毛は5回程度でキレイになるとされていますが、わきやVIOライン、男性のヒゲなどの毛が太い部分は10回程度が必要とされています。他の全身を脱毛でキレイにするには6～8回行うことを推奨しています。

頻度は6週間程度あけることを推奨

ソプラノチタニウムは毛が生える指令を出す細胞である毛母細胞に熱ダメージを加えることで、毛が生えてこなくする脱毛方法です。毛には成長周期（毛周期）があり、毛母細胞が活発に働いているのは成長期と呼ばれる毛周期です。

毛周期

• 成長期：毛が伸びて成長している時期
• 退行期：毛の成長が止まり痩せていく時期
• 休止期：抜け落ちる時期

成長期は毛母細胞が細胞分裂を活発に繰り返している時期で、この時に熱ダメージを与えることで毛の成長を抑えることができます。

毛周期は部位によっても違い、わきやVIOライン、男性のヒゲなど毛が太くて長く伸びる部位ほど毛周期のサイクルが長いです。個人差もありますが顔は4～6週間間隔、胴体部位は6～8週間間隔でおこなうことを推奨しています。

ソプラノチタニウムの脱毛効果と期待できるプラスの効果

即効性の脱毛効果はないが徐々に毛が生えなくなる

ソプラノチタニウムは低出力のレーザーを連射することで、毛を生やす指令を出す細胞に熱を加えて徐々に破壊していきます。レーザーをあてることで毛が抜けるわけではなく、生えてこないようにする施術のため、施術後すぐに脱毛効果を感じることは少なく、施術後2〜3週間ほど経過したころから徐々に抜けはじめ薄くなっていき、施術を繰り返していくことで生えなくなっていきます。

シミやニキビ跡を目立たなくする美肌効果も

ソプラノチタニウムで照射する「アレキサンドライトレーザー」は色素を破壊することができるため、シミや黒ずみ、ニキビ跡の治療にも使用されています。そのため、脱毛をしながら美肌効果も期待できます。また、脱毛をすることで毛穴にできるニキビができにくくなるのも嬉しい効果です。

シワやたるみにも働きかける

ソプラノチタニウムで照射する「YAG（ヤグ）レーザー」は長い波長をもつレーザーであるため、コラーゲン が存在する真皮層まで届きます。真皮層にレーザーで熱刺激を与えることでコラーゲンの生成を促し、シワやたるみを整えてハリのある肌が目指せます。

ソプラノチタニウムのデメリットやリスクと稀に起こる副作用

取り扱っているクリニックが少ない

2019年に発売したばかりの医療脱毛機のため、取り扱っているクリニックが非常に少なく、日本全国でも数えるほどしかありません。そのため、予約が取りづらいクリニックもあり、思うような期間で施術ができない場合もあります。

固定照射するとやけどなどのリスクがある

蓄熱式脱毛機と強力な冷却装置が搭載されているため、レーザー照射による痛みは少ないですが、3種類のレーザーを同時に照射するため稀に熱さを感じることがあります。また、ソプラノチタニウムは1秒間に連続10発の高速照射をするため、照射するハンドピースを一部に止めて固定照射すると、レーザーの熱が集中しやけどなどのリスクがあります。

ダウンタイムと副作用はほとんどない

基本的にダウンタイムや副作用はほとんどありません。しかし、ごく稀に脱毛後のトリートメントから24時間以内に痛みのない紅斑(赤み)や浮腫(むくみ)が現れ、その症状が数週間続く場合があります。また、施術後のトリートメントから48時間以内に炎症、痒み、軽度のヒリヒリとした痛みがに起こる場合もあります。いずれもレーザーによる一時的な皮膚の炎症であり、時間が経てば自然と元に戻ります。

ソプラノチタニウムの施術を受ける際の注意点

厚生労働省に認可されていない脱毛機器

医療脱毛機は厚生労働省が認可しているものありますが、ソプラノチタニウムは認可はされていない脱毛機です。しかし、アメリカの厚生労働省にあたるFDA（アメリカ食品医薬品局）の認可を受けているため、機能や性能は高く、安全性のある医療脱毛機です。

そもそも厚生労働省が医療脱毛機に認可を出したのは2017年と比較的最近であるため、認可がある医療脱毛機は非常に少なく数えるほどしかありません。また、医療脱毛はエステ脱毛とは違い、医師の責任のもとでおこなう医療行為（医師法第17条）です。安全性については、取り扱っている医師が判断しているため重度に心配する必要はありません。

施術ができない方

以下の方は皮膚に炎症が起きたりその他トラブルが起こる可能性が高いため、ソプラノチタニウムによる施術ができません。

• 癌（特に皮膚癌）の方
• レーザーの光で炎症が出る疾患や持病のある方
• 妊娠中または授乳中の方
• 感光性の薬剤を利用中の方（フォトフィリン・ミノマイシン・非ステロイド性抗炎症薬など）
• 施術前後1ヶ月間で過度に人工的な日焼けをした方・する予定の方
• 施術する部位に感染症や皮膚トラブルのある方（ヘルペス感染、出血や膿を伴うまたは傷口の閉じていない傷、皮膚障害、やけどによる炎症など）
• 施術する部位にボルトなどの金属が入っている方

また、照射する部位に美容注射（コラーゲン注射やアクアフィリングなどの注入治療）を受けている場合、注入剤が感光性であるため色素沈着が過敏になる可能性があります。施術する医療機関の医師に相談してから施術を受けるようにしてください。

ソプラノチタニウムとそのほかの脱毛器との比較

数種類のレーザーを同時に照射するスプレンダーXとの比較

複数のレーザーを照射できる脱毛機の登場は最近であり、導入している医療機関は非常に少ないのが現状です。ソプラノチタニウムは3種類のレーザーを同時に照射することができますが、2種類のレーザーが照射できるスプレンダーXも最新の医療脱毛機です。

ダイオードレーザーの照射できる脱毛機との比較

ソプラノチタニウムで照射できる「ダイオードレーザー」は肌色に関係なく脱毛でき、医療レーザーの中でも痛みが少ないレーザーであることから、ダイオードレーザーが照射できる脱毛機は多くの医療機関で使用されています。現在、日本でダイオードレーザーが照射できる脱毛機はソプラノチタニウムを含め3種類あります。

• ソプラノチタニウム
• ライトシェアデュエット
• メディオスターNeXT

ソプラノチタニウムとメディオスターNeXTは蓄熱式なので、より痛みが感じにくい照射方法とされています。中でもソプラノチタニウムはレーザー口と同じ所に冷却装置があることから熱さによる痛みも軽減できます。

ライトシェアデュエットは熱破壊式（ショット式）なので他の2つに比べて痛みを感じやすいですが、米国FDAより世界で初めて永久脱毛ができると認定された実績があります。

ライトシェアデュエットとメディオスターNeXTはダイオードレーザーのみの出力ですが、ソプラノチタニウムはダイオードレーザー以外のレーザーも出力するため太さが違う毛にもアプローチすることができます。

ソプラノチタニウムの施術の流れと料金相場

施術の流れ

1.毛の処理

施術部分の毛は事前に剃っていくことは前提ですが、剃り残しをチェックし処理します。

2.ジェルを塗る

施術部位に肌の保護と機器の滑りをよくするために脱毛用のジェルを塗り、サングラスなどで目を覆います。

3.ソプラノチタニウムの設定

施術箇所と面積に合わせて照射量を設定します。

4.照射

くるくると円を描きながら一定量のレーザーをあてます。毛の濃いところや痛みがあったら出力レーザーを低くしあてる時間を長くすることで、しっかり毛を生やす細胞にダメージを与えることができます。

5.保湿

お肌を整える保湿水などを塗って1回の脱毛が終了します。

施術後の注意点

施術後1週間は日焼けを避ける

レーザーで照射した皮膚は太陽の光などの紫外線に敏感になるため、施術後の約1週間はSPF30以上の日焼けどめを塗るなどして紫外線をなるべく避けてください。日傘や薄いカーディガンを羽織るのも肌の保護には効果的です。

当日シャワーOKだが強く擦ることは避ける

脱毛当日のシャワーはOKです。ただし、湯船につかることは避けてください。レーザーによって毛根に熱がある状態のため、さらに熱を加えてしまうと皮膚に炎症が出ることがある可能性があるため、湯船は入らないことが無難です。

また、皮膚がダメージを受けている状態なので、強く擦ることも避けてください。特に身体を洗う際は、合成繊維のナイロンタオルは使用せず、たっぷりの泡と手で優しく洗うようにしてください。

VIOを施術した場合コットン製のショーツに

VIO（ビキニライン、陰部のサイドライン、肛門周りのアンダーヘアーラインの総称）は 皮膚が薄く非常にデリケートな部位です。レーザーによってダメージを加えた後はなるべく刺激を与えないように、合成繊維のポリエステル製ではなく肌触りが優しい天然繊維のコットン製のショーツがおすすめです。

保険は使えないが医療費控除が使える場合がある

医療脱毛は一般皮膚科ではなく美容皮膚科のため、保険は効かず自費治療となりますが、医療費控除が使える場合があります。

医療費控除とは年間にかかった医療費の一部が還付金として戻ってくる制度のことで、所得に応じて還付金額は異なります。

• 医療費控除額＝「1年間にかかった医療費」－「保険など給付金」－「10万円（所得が200万円以下の場合は年間所得の5％）」
• 実際に戻ってくる還付金＝「医療費控除額」×「所得税率（個人の所得によって5%~45%の7段階に分かれている）」

医療費控除が使える脱毛は「治療として脱毛が有効」と医師が判断した場合です。例えば、毛根による皮膚病や多汗症やワキガ治療で脱毛が必要になる場合や、感染症などにより除毛療法が有効と判断された場合などは医療費控除が使える可能性が高いです。

実際に医療費控除が使えるか、使えないかについては施術する医師に相談するか、国税庁のHPで医療費控除適用に関する記載を確認してみてください。

ソプラノチタニウムは脱毛経験豊富なドクターのいる医療機関で

ソプラノチタニウムは1秒間に10回の高速照射をするため、固定照射をするとやけどや皮膚疾患などの皮膚トラブルにつながります。また、ソプラノチタニウムは医療脱毛機のため、使用する際は医師の診断が必要です。エステサロンでは使用できないため、必ず脱毛経験が豊富な医療機関で施術を受けるようにしてください。

聖心美容クリニック